
JavaScriptはプログラミング言語の1つで、Webコンテンツの作成などに欠かせないものです。
なんとなく理解しているものの、他の言語と比べた特徴や、具体的な活用法までは分からないという人もいるでしょう。
この記事では、ゲーム開発におけるJavaScriptの活用術について解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
JavaScriptとはWebブラウザを動かすためのプログラム言語

JavaScript(ジャバスクリプト)とは、Webページに動きのある機能などを追加するためのプログラミング言語です。
CSSやHTMLと組み合わせることで、アニメーションを動かしたり、コンテンツの内容を一部変更したりできます。主な特徴は以下の通りです。
- 動的な操作:Webページのコンテンツを動かせる
- イベント駆動:読者のクリックや入力に応じてイベントが実行される
- 非同期通信:AJAXという技術の活用により、ページをリロードすることなくデータの更新ができる
Google chrome(グーグルクローム)やFirefox(ファイアフォックス)Safari(サファリ)といった主要なブラウザに対応しています。習得難易度は低めであり、プログラミング初心者の人向けと言えるでしょう。
JavaScriptでゲームを作成する時のメリット5つ

JavaScriptは、ゲーム制作にも活用可能であり、2Dのものであればさまざまなゲーム作成にチャレンジできます。
ここでは、JavaScriptを活用してゲームを作成するメリットについて5つ紹介していきます。
プログラミング専用ソフトが不要である
前述の通り、JavaScriptはWebブラウザ内で直接動作するスクリプト言語であるため、ゲーム作成において、特別なプログラミングソフトは必要ありません。
必要なのは、ブラウザとテキストエディタ(メモ帳やNotepad)だけであり、コードを入力すれば、すぐにブラウザで動作確認できます。他のプログラミングと異なり、サーバーやローカルホスト環境のセットアップも必要なく、初学者でも簡単にゲーム作成に取り組めます。
言語が簡単でわかりやすい
JavaScriptは他の言語と比べて書き方がシンプルであり、初学者でもゲーム作成しながら知識を身に着けられます。例として、画面に文字を表示するプログラムであれば以下の通り入力します。
console.log(‘こんにちは、世界!’); |
また、ボタンをクリックするとキャラクターが動く設定にしたい場合は、下記の通りです。
<button onclick=”moveCharacter()”>キャラクターを動かす</button> <script> function moveCharacter() { alert(‘キャラクターが動いた!’); } </script> |
このように、JavaScriptは他のプログラミング言語と比べて、内容が直感的であるため何をするためのコードなのか、理解しやすいことが魅力です。
問題の解決方法がネット上にたくさんある
JavaScriptは、メジャーなプログラミング言語で、関連の解説サイトは数多くあります。そのため、ゲーム制作において分からない箇所がある場合も比較的簡単に解決可能です。具体的には、以下のようなサイトがあります。
Stack Overflow (スタックオーバーフロー) | プログラミングに特化したサイトで、分からない箇所について誰でも質問できる。 |
MDN Web Docs (エムディーエヌ ウェブ ドックス) | 各プログラミング言語について詳しく解説されている。 |
ゲーム開発のハードルが低い
JavaScriptは、ゲーム開発において初学者でも気軽に挑戦しやすいと言えます。ハードルが低いと言われている主な理由は、以下の通りです。
- 特別なソフトや機材が不要
- 書いたコードの動作確認がすぐにできる
- 学習コンテンツが豊富にある
- セットアップやインストールの手間がない
JavaScriptは、ゲームを作成する環境を整える必要がなく、コードを書くことだけに集中できます。書いたコードはすぐに動作確認できるため、間違っていたとしてもすぐに気づけます。
幅広い仕事に活用できる
JavaScriptはゲーム作成だけでなく、さまざまな分野で活用できる汎用性の高さが特徴です。ゲーム作成で身に着けた知識は、Webページに動きを付けるといったWeb開発の基礎スキルとして活用できます。
この他にも、サーバーサイド開発やモバイルアプリなどの開発でも活かせます。Web業界での需要が高いため、JavaScriptの基礎スキルを身に着けておくことで、ゲーム業界への転職も有利に進められるでしょう。
JavaScriptでゲームを作成する時のデメリット3つ

JavaScriptでゲームを作成する際には、メリットだけでなく以下のようなデメリットもあります。
- 処理速度が他の言語と比べて遅い
- セキュリティにリスクがある
- ブラウザによって動作が異なる
上記デメリットについて理解したうえで、作成したいゲームの内容に合ったものを選ぶようにしましょう。
処理速度が他の言語と比べて遅い
JavaScriptは、処理速度の面では他の言語に劣っており、リアルタイムな処理や複雑な計算処理を苦手としています。
数秒間に何百回も画面を更新するような、高フレームレートの3Dゲームや、リアルタイムで演出を必要とするゲームには対応できません。無理して使用すると、動作がガクついてスムーズに動かなくなる可能性があります。
WebAssembly(ワズム)といった技術である程度の改善は可能であるものの、JavaScript以外のプログラミング知識が必要となり、初学者にはハードルが高いと言えるでしょう。
セキュリティにリスクがある
JavaScriptは、ブラウザ上で動作するため、コードそのものがユーザー(読者)に見られてしまいます。具体的なリスクは以下の通りです。
- クロスサイトスクリプティング攻撃
- ユーザー(読者)側によるコードの編集
クロスサイトスクリプティング攻撃(XSS)とは、第三者が特別に仕掛けたコードを、他のユーザのブラウザで実行させて個人情報を盗む攻撃です。
悪意のあるコードがないかチェックすることで、被害を防げますが完全に防ぐのは難しいと言えます。
ブラウザによって動作が異なる
JavaScriptは「Google chrome・Firefox・Microsoft Edge」などで動作するものの、コード解釈や動作の実行に若干の違いがあります。
コードの内容によっては、ブラウザごとに意図しない動きが生じてしまう可能性があるため、注意が必要です。各ブラウザで動作テストを行ったり、ブラウザ間で互換性のある形で書いたりして対策しましょう。
JavaScriptを使ったゲームの作成方法

JavaScriptを活用してゲームを作成する際の主な手順は以下の通りです。
- テキストエディタとブラウザを準備する
- HTMLとCSSで基本的なゲームの構造を作る
- JavaScriptでゲームのロジック(機能)を実装する
- ユーザー入力とループ処理の実装
- 動作確認後に公開する
使用するブラウザは、エラー発見といったサポート機能のあるGoogle chromeやMicrosoft Edgeがおすすめです。まずはHTMLとCSSでゲームの背景や装飾などを作っていきます。
次に、JavaScriptでゲームのルールや動きをプログラミングしていきましょう。ゲーム内容が整ってきたら、ユーザー(プレイヤー)からの入力(クリック、マウス操作)によってゲームが反応する仕組みを作ります。
ゲームループでゲーム画面が定期的に更新される仕組みを構築した後は、動作確認を各ブラウザで行い、問題がなければ公開する流れです。
JavaScriptでできるゲームのジャンルを公開

JavaScriptで作成できる主なゲームには、以下のような内容があります。
- パズルゲーム
- 2Dアクションゲーム
- クイズ、トリビアゲーム
- ターン制ストラテジーゲーム(ボードゲーム)
- カードゲーム
- シミュレーションゲーム
- タイピングゲーム
このように、ユーザーの入力に素早く反応するシンプルな2Dアクションゲームであれば、基本的に何でも作成できます。
JavaScriptでゲームを作成するために必要な4つの技術

JavaScriptでゲームを作成するためには、以下のような知識やスキルが求められます。
- 基本的なJavaScriptの知識
- ライブラリの使用方法
- HTML・CSSの知識
- プログラミングを読み解く力
ここでは、上記4つの知識やスキルについて解説していきます。
基本的なJavaScriptの知識
ゲーム作成で必要なJavaScriptの基本的な知識には、以下のような内容があります。
JavaScriptの基本的な知識 | 主な用途 |
---|---|
変数とデータ型に関する知識 | ゲーム内でプレイヤーの得点やキャラクターの位置設定 |
条件分岐・ループ | ・条件分岐:ゲーム進行や特定のイベントに応じて動作を変える ・ループ:ゲーム内で繰り返し行われる処理などの設定 |
関数 | キャラクターがジャンプする動作や敵が繰り返し攻撃してくるといった動作の設定 |
これらの基礎的な知識が身に付くことで、ゲーム内の各動作が管理できるようになります。
ライブラリの使用方法
ライブラリとは、頻繁に使用するプログラムの機能やコードをまとめたものです。同じ機能を何度も繰り返し書かなくて済むようにまとめられています。
ライブラリを使いこなせるようになれば、毎回はじめからコードを書く必要がなくなるため、効率良くゲーム作成を進められます。
JavaScriptには「p5.js」や「Three.js」といった、複数のライブラリがあるため、使い方について学習していきましょう。
HTML・CSSの知識
HTMLとCSSは、Webコンテンツを作るための基本的なスキルです。
ゲーム作成においてHTMLは、ゲーム画面を表示するためのキャンバスや、スタートボタンの配置といった作業で必要です。CSSはキャラクターの大きさや色など見た目を整える際に使用します。
イメージとしてはHTMLでゲームの部品を作り、CSSで見た目を整え、JavaScriptでその部品を動かすといった構成です。
プログラミングを読み解く力
ゲーム作成において、オープンソースのサンプルコードを参考にしながらプログラミングを進めるケースは珍しくありません。
各コードにどのような役割があるのか、正しく読み解ければ、新しい機能の追加やバグの修正などもできるようになります。
企業で開発業務に携わる際には、チームメンバーが書いたコードを理解したうえで、作業を進めていく必要があります。プログラミングコードは全て英語であるため、英語力も必須と言えるでしょう。
まとめ

JavaScriptはWebページに動きのある機能などを追加するためのプログラミング言語です。コードがシンプルで、ブラウザとテキストエディタだけで作業を進められるため、初学者に最適な言語と言えます。
3Dの複雑なゲームは作成できないものの、2Dのパズルゲームやアクションゲームなどを作成可能です。ライブラリの使用方法やHTML・CSSに関する知識も身に着けながら、ゲーム作成に挑戦してみましょう。
JavaScriptに関する知識は、ゲーム業界で重宝されます。大好きなゲームを仕事にしたいと考えている方は、ゲーム業界に特化した転職エージェントを活用してみましょう。
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